| あなたに似合う色
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「ガードマンって時給いいのかな〜?」 先日出来たばかりの、大型ショッピングセンターの近くを車で通った時だった。 窓の外を眺めていた高耶がボソッと言った。 高気圧が大きく張り出しているため今日は朝からポカポカと暖かく、散歩を楽し む親子連れがいつもより目立っている。その中に混じって、紺色の制服に身を 包んだガードマンが数人、任務に勤しんでいるのが見えた。 「ガードマンに興味があるんですか?」 運転中の直江が前を向いたまま問いかけると、 「え? だってなんかカッコイイじゃん、あの制服。ビシッとキマッていて。誰にでも 似合いそうだし、ちょっと憧れるよな〜」 ほぅっと溜息をついた高耶に、直江は微笑した。 「あなたなら絶対似合いますよ、どんな制服も。でも、ガードマンの仕事はやめた 方がいいですよ」 「何で?」 不思議そうに見上げてくる高耶に、直江は苦笑してみせた。 「あの仕事は思っているより楽なものではありません。一日中立ちっぱなしです し、夏は暑くて冬は寒い。それに雨の日も雪の日も、台風も関係ありませんか らね」 「なるほど」 「それに……」 直江はいったん言葉を切ると、 「あなたが制服を着て交差点に立っていたら、却って事故が増えるんじゃない ですか?」 揶揄るように言う直江に高耶は頬を膨らませた。 「何だよー、それ」 「さぁ…」 直江は思わせぶりに微笑すると、ハンドルを丁寧に切った。 それから数日後。とあるマンションの一室で、驚きと呆れが入り交じったような 声が響き渡った。 「な、直江っ。何だよ、コレ!」 「何って……。制服ですよ、高耶さん」 「せ、制服はわかるけど、何でこんなのがここにあんの?」 高耶は頭痛を覚えながらも、ハッキリさせるべく直江に問いかけた。 「何でって……。高耶さん、着てみたいって言っていたでしょ?」 「言っていたでしょって……」 (何考えてんだ、コイツ!!) 高耶は目の前が暗くなるのを感じた。高耶が手にしていたのは、よく見かけるよう な、紺色のガードマン風の制服だったのだ。通常、一般の店に売っていないその 制服は、高耶の目から見ても直江がどうにかして手に入れてきた物としか思えな かった。 (こんのアホッ!) あまりの直江のバカぶりに、呆れを通り越して脱力する。確かに高耶はガードマン の制服に憧れを感じていたが、だからといってこんな形で手にしたいとは思って いなかった。と言うか、想像すらしていなかった。 「高耶さん」 「……何だよっ」 そんな高耶の心境を全く知らない直江は、にっこり微笑むと言った。 「早く着てみて下さい」 ブチッ。 高耶の血管が切れた。 「バ、バカか、お前ッ! 着れるわけねぇだろがっ!!」 「ど、どうしてですか? 折角用意しましたのに」 「どうしてって……、それよりお前、どっからコレ持ってきたんだよっ」 訝しげに見る高耶に小さく笑うと、事も無げに直江は答えた。 「奥村に口を利いてもらったんですよ。こういうのに詳しいって言っていたので」 「お、奥村さんって、お前の友人の!?」 奥村とは、直江の高校時代の数少ない友人である。 「そうです。ちょっと困っているって言いましたら、そういう事なら俺に任せろと」 「ああぁぁ………」 高耶はますます目の前が暗くなるのを感じた。ついでに眩暈もして床に膝をつい た。 (この男にして、この友人!!) ワナワナと震えながら高耶は思った。 そんな事を相談する直江もどうかと思うが、心当たりがあるという奥村も奥村だ。 さすが類友としか言いようが……。 (それにしても、奥村さんに何て言ったんだ、こいつは) ジト…と、直江を睨み付けていると、直江は縋るような瞳を向けてきた。 「高耶さんっ、……どうしても着てくれないんですか? 折角あなたに喜んでもら おうと思って用意しましたのに……」 そう言って、悲しそうな顔をする直江。 (うぅ……。そんな、捨てられた犬のような目ぇすんなよ。どうにかしてやりたくな るじゃねぇか) 高耶は動物に弱かった(笑)。 それに、自分のためにしてくれた事かと思うと、あまり邪険にも出来ない。 でも……。 困ったような顔を向けると、悲しそうな男の目とぶつかった。 (うっ……。チッ、仕方ねぇな) 「わかった。わかったよ、直江。着ればいいんだろっ」 「高耶さんっ」 「付き合ってやるよ、お前に」 そう言うと、高耶は早速制服に腕を通した。何だかんだ言って、実のところ高耶 も制服を着られるのは嬉しかった。ガードマンの職に就かない以上、こんな制服 を着られる機会なんて絶対ないのだから。 思った通り、ガードマン風の制服は高耶によく似合った(それにしても、驚くほど サイズがピッタリだった)。何を着ても様になる高耶だったが、どこか禁欲的なイメ ージのあるその制服は、良からぬ欲望を促進させるぐらいよく似合った。 「よく……、似合ってますよ」 直江の声が、いつもより低く掠れているのに高耶は気が付かなかった。 「そ、そうか」 自分でもまんざらでなかった高耶は、直江の言葉に嬉しさを隠しきれない。きょろ きょろと体を眺め回してから、照れたように顔を上げたとたん、 「んぐっ」 直江にいきなり唇を奪われた。 「ンン、ンンー!」 突然の口づけに体を離そうとする高耶だったが、直江に押し倒されてそれは叶わ なかった。 「んん、ん………ンっ!!」 口づけをそのままに、直江の手が高耶のベルトを外そうとしているのに気付いた 高耶は、焦った。 (こ、このやろう〜〜。いきなり何しやがるっ!!) 心の中で叫んでみるが、当然直江の耳には届かない。いや、もし届いていたと しても、聞き入れられなかったのではないかと思う。そうしているうちにも、穿い たばかりの高耶のズボンは直江の手によって抜き取られてしまう。 「……ハ…」 ようやく唇を外されて息をつく高耶。その頃にはもう、下半身はすっかり剥かれ、 上半身も申し訳程度に衣服をつけているだけの恰好になっていた。高耶は慌て て起きあがろうとするが、直江にあっさりと阻まれてしまった。 「高耶さん、凄くそそられますね……。なんかこう、若妻をレイプしている気分で すよ」 フフ、と卑猥に笑みを浮かべる直江に高耶はカァッと顔を赤らめた。 「バ、バカッ。何考えてんだッ」 「何って、…ナニですよ」 先ほどまでの謙虚な態度とは打って変わって、ふふふふと好色そうに笑う直江 が不気味だ。 「奥村に、コスプレプレイは刺激的だぞ、と言われていたのですが、本当にそう ですね。いつもより血が騒ぎますよ」 言うなり直江は、高耶の衣服をまくり上げて胸元に唇を寄せてきた。小さく立ち 上がっている赤い粒を口に含んでやる。 「アァッ」 「あなたもまんざらではなかったんでしょう? 今日はこれで愉しみましょう」 「ばかッ! お前…っ、こんな事のために制服用意したのかっ!?」 それには答えずに、直江は淫猥な笑みを浮かべた。そのまま唇を下方へと移動 させると、高耶のまだ柔らかい実に舌を伸ばす。 「んんっ。……あ、ン」 ビクン、と高耶の下腹が波打った。それを見た直江は笑みを浮かべると、高耶の 足を抱え上げた。 「いい眺めですよ、高耶さん」 「なおっ……アッ!」 直江の長い指が、高耶の隠された場所へと消えた。そのままググッと指を進め て、足の間から見える高耶の顔を観察した。高耶は顔を真っ赤にさせながらも 感じているらしく、目を細めてあえかな声を漏らしている。慎重に指を動かして 高耶の感じるポイントを刺激してやると、高耶は嬌声を上げて体を捻った。その 顔は、汗と涙でぐちゃぐちゃに濡れている。僅かに残っている衣服から見える 胸飾りが、征服者の加虐心を煽った。 直江は指を引き抜くと、わざと高耶から体を離した。すっかり火を点けられてしま った高耶は、冷ましてくれる男を探してうつろな瞳を周囲に向けた。 「なおぇ……」 「どうしました? 高耶さん」 「ぁ……」 乱れた衣服を身につけた高耶が、請うような瞳を向けてくる。その足はしどけ なく広げられており、中心には欲望を如実に表した高耶のものが勃ち上がって いた。 「あ、ぁ……」 高耶は辛そうに瞳を揺らすと、重く感じる体を起こして直江の元に寄ってきた。 「オレ……、も…」 中途半端に点けられた火が、高耶の中で燻っている。今すぐにでもどうにかした かったが、だからと言って直江が見ている前で自分を慰めるのは恥ずかしい。 仕方なく高耶は、直江の服に手を掛けると、震える指で一枚ずつ剥ぎ取っていっ た。衣服を床に落としていく度に、直江の逞しい裸身が露わになってくる。それ を見ただけで興奮した高耶は、体が震えるのを止められなかった。 高耶は直江の衣服を全て払い落とすと、迷わず直江のものに唇を寄せた。直江 のそれは、何もしていないのにすでに充分育っていた。 「あなたもいつになく興奮しているみたいですね。いいですよ……、そう。もっと 舌を使って」 言われるまでもなく高耶は直江のものを口に含むと、幾度となく過ごしてきた夜 を思い出しながら、直江のものに愛撫を始めた。四つん這いになって自分の欲 望を口にしている高耶は、罪なほど淫らだった。 「ンン、ンン……」 唾液をまんべんなく絡めて、舌と歯を使って刺激していると、直江のものは高耶 の口内でますます大きくなった。その質量に思わず高耶の眉間が歪む。それで も深く口内に取り込んで愛撫を繰り返していると、直江が頬に手を当ててきた。 「……っ。高耶、さん。もう、いいですよ。早くここにいらっしゃい」 添えた手で顔を上げさせると、高耶は上気した顔で見上げてきた。その瞳は熱 に浮かされたように、甘く潤んでいる。ひどく扇情的だった。 高耶は少しの間躊躇していたが、直江が何の行動も起こさないのを知ると、直江 の腰を跨いで自ら直江のものを迎え入れた。 「あぁ、あ・つい……」 「私も、熱いですよ、高耶、さん……」 「なおえぇ……、ぁ…」 直江は高耶の衣服を全て払い落とすと、ぐっと腰を落とさせて、ピクピクと震えて いるオスを握ってやった。 「アァ、アァ……!」 直江に握られた瞬間吹き出したものは、高耶の腹を白く汚した。 「可愛い高耶さん。やはり、あなたに一番似合うのは、白ですね」 直江は高耶の耳に甘く囁くと、上体を後ろに倒した。 「イ!……あぁ…ん!」 直江がベッドに横になった事により、高耶の中に入っているものの角度が変わ った。 堅いものに強く擦られた高耶は、涙を飛ばして嬌声を上げた。その体が力無く 倒れそうになるのを、直江は両腕で支えてやる。 「…ハァ…、…ハ……」 高耶が忙しなく息をしながら、小刻みに体を震わせている。直江の腹の上で勃ち 上がっているものが、切ない涙を流していた。 彷徨う動きを見せた高耶の細い腕が、直江の胸元に置かれた。 「高耶さん、もう限界?」 直江が腰を突き上げてやると、高耶が力無く呻いた。 「…ぅ」 その瞼が震えているのを見た直江は、高耶を満足させるべく腰を淫らに動かした。 堅い杭が、高耶の秘部で激しく出入りを繰り返す。閉じることを忘れた高耶の口 からは、淫らな声がいつまでも上がったのだった。
数時間後。 すっかりベッドとお友達になってしまった高耶は、規則正しい寝息を繰り返して いた。その顔には、紛れもない充足感が漂っている。そんな高耶の傍に横たわ って、高耶の顔を見ていた直江は楽しそうな笑みを口元に上らせた。 「……まさかこんなに興奮するとは思いませんでしたよ、高耶さん。ふふ、…次は 何をして遊びましょうか」 悪戯を思いついた子供のように無邪気に微笑みながら、直江は高耶の髪を撫で 続けた。 何も知らない高耶は、幸せそうな顔をして眠りの国の住人となっていた。 special thanks/Miss MINNTO |
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