erotic night


そもそも、らしくない事をしようとしたのが誤りだったのだ。
暫く会う機会が無かったから会いに行こうだなんて、らしくない事、なんで思ってしまったの
だろう。
別にこっちから出向かなくても、もう少し待てばあいつの方からやってくるだろうに、その僅か
な時間も待てなかった自分が悪かったのだ。
まあ今となってはもう、後の祭りなのだが……。



高耶は待ち合わせの駅に向かうべく、都内の電車に乗っていた。
東京に一人で行ったことはあまりなく、乗り換えが心配であったが、直江が事細やかに教え
てくれたのでなんとか無事に電車に乗る事が出来た。
地元の電車と違って、空いてる席を探すのは至難の技だ。まあ、立ち乗りでも全然構わな
かったので、一人、窓際に立っていたのだが…。ある駅に止まった途端、凄い数の人が雪崩
込んで来て、高耶は身動き出来ない状態になってしまった。
(うわ、マジかよ〜)
もうこれ以上は無理だ、と思っているのに、それでもホームから強引に人が乗りこんでくる。
チラッと見てみると、乗りこんで来た人は20〜30代ぐらいの若者が大半だった。何故だか
はわからないが、みな、一様に大きな荷物を持っている。
(なんかのツアーかよ)
高耶は知らない。それが同人イベントの帰りだという事を(笑)。
高耶は周りの人達に潰されながら、なんとか近くの手すりを握った。
「ぐぇっ」
しかし、横から強い力で押されて、そのままの状態で固まってしまった。もう、手を引っ込め
ようとしても、引っ込められない。仕方なく、人が減るまでは我慢しようと高耶は思った。
ガタンガタン。
電車はいつものように走っていく。その片隅で、高耶は嫌悪感に顔を顰めていた。
(東京って、いつもこんなんかよー!!)
隣の人の息が、首筋に当たって気持ち悪い。
身動き出来ない状態で、少しでも気を紛らわそうと中吊り広告を見ていた高耶は、「ん?」と
眉を潜めた。
(なんかケツんとこに…)
微妙にアブナイ所に、何か固いものが当たっていた。それはアレとかではなく(笑)、もしかし
たら誰かの傘が当たっているのかもしれない。今日は天気が悪く、傘を持っている人が多か
った。恐らく隣か後ろに立っている人の傘が、たまたま高耶の臀部の辺りに当たってしまった
のだろう。混んでいる時には、たまにある話だ。が、
(マジかよ…っ)
高耶はげんなりした。
ただでさえキツイこの状態で、そんな恥ずかしい事。
でもまだ、割れ目の真ん中に入ってないだけマシだった。
(仕方ねぇな)
車内は寿司詰め状態で、とてもじゃないが体を動かす事は出来ない。このまま我慢するしか
ないようだった。
そう思ったのだが、
「おおっと」
(!)
電車が、急に大きく傾いた。
みんなが一斉によろけた直後、高耶は「うっ」と呻いた。
(傘が…っ)
今の揺れで、先ほどの傘が高耶の尻の狭間にめり込んでしまった。
恥ずかしい出来事に、高耶はなんとか逃れようとした。しかし、びくとも動かない人の壁に、
高耶は敗北を思い知るのだった。
(って、マズイだろ、これ!!)
グイグイ、と電車が揺れる度に、高耶のキワドイ所に傘が押しつけられる。わざとじゃないと
わかっていても、そんな所に刺激を与えられてしまっては、意識するなというのが間違いと
いうものだ。
(早く、次の駅になってくれ〜〜)
不自然な態勢のまま、高耶が必死に天に祈った。
しかしこういう時に限って、なかなか駅に止まらないものである。いや、追い詰められていた
せいで、そう感じたのかもしれない。
(あ…くっ)
戯れのように、足の付け根に傘の柄が押しつけられる。暫く直江とヤッてない高耶は、変に
意識してしまい、うっすらと頬を染めた。
(や…ばい)
前が、きついジーンズの中で形を変え始めた。
こんな所で勃起なんて、恥ずかしくて顔から火が出そうである。
いくら混んでいてこの状態が周囲にバレてなくても、こんな公共の場で高まってしまうのは凄く
恥ずかしい。
けれど、後ろをぐりぐりとやられて、高耶は「はぁ…」と熱い息を漏らした。
(直江…、なおえ)
無意識のうちに、直江の名前を呟いていた。
あと十数分もすれば実物の彼に会えるのだ。そう思うだけで胸がときめいてしまうというのに、
こんな所でこんな…。
みっともない。
そう思うけれど、不可効力とはいえ敏感な所を刺激された高耶は、俯きながら体の中を荒れ
狂う波に必死に耐えたのだった。




一方、その頃、直江は待ち合わせ場所の改札口で、高耶が出て来るのを今か今かと待ち構
えていた。珍しく、高耶が東京に出てくるという。直江は自分から行きます、と言ったのだか、
「たまにはいいだろ」と切り返されて、高耶の案に従ったのだった。
愛しの高耶が、遠くからわざわざやってくる。それも自分に会いに、だ。
こんな嬉しいことは、滅多にない。
今日はとことん高耶を甘やかして、素敵な時間を送らなくては。
直江は約束の時間より20分も早く到着すると、高耶がやってくるのを今は遅しと待ち構えて
いた。
と、ようやく到着時間になって、たくさんの人があちらからやってきた。
直江は高耶がいないか、と必死になって目を凝らした。が、なかなか見つからない。
(高耶さん、どこだ)
キョロキョロと目を動かして高耶を探していると、ようやく高耶がホームから降りてきた。
「高耶さん!」
と声を出そうとして、「ん?」と思った。
高耶の様子が、変なのだ。
覚束ない足取りでやってきた高耶は、直江の気配に気が付いたのだろうか。
ふ、と顔を上げた。
「高耶さん…」
遠目にも、元気があるように見えなかった。
人いきれにでも酔ってしまったのだろうか。
「高耶さん!」
直江が自動改札口で高耶の名前を呼ぶと、高耶はホッとしたようにやってきた。
シュッと切符を入れて、外に出てくる。
直江は高耶の元に駆け寄った。
「どうしたんですか? 具合悪いんですか?」
デイパックを持ってやりながら聞くと、高耶は「ちょっと…」と小さな声で返してきた。
咄嗟に「具合が悪いんだ」と判断した直江は、高耶の肩を抱いた。
「駐車場まで行きましょう。歩けますか?」
それに、コク、と頷いたのを見て、直江は高耶を伴って駐車場へと向かった。



助手席に収まった高耶は、「ふぅ」と全身の力を抜いた。
どこか具合が悪いんだろうと思った直江は、心配そうに高耶を覗き込んだ。
「大丈夫ですか? 気持ち悪いの?」
「いや…」
そう言ったきり、高耶は黙ってしまう。なんとなく頬が赤い気がして、直江は掌を高耶の額に
当てた。
「!」
「熱は、…無さそうですけどね」
直江の声が、耳元を擽る。
卑猥な事を言われた訳ではないのに、また前が大きくなった。
「なお…、ちょっと」
高耶は、直江の手から逃れると、ドアの方を向いて丸くなった。それを、「構わないでくれ」と
いう意思表示と見て取った直江は、眉を寄せた。
(高耶さん、相当具合が悪いみたいだ。一度、家に帰った方が良さそうだな)
直江はそっと高耶から離れると、イグニッションキーを回してエンジンをかけた。
「!」
「とりあえず、私のマンションに向かいましょう。少し休めば良くなるかもしれない」
そう言われて、高耶はホッとした。
マンションなら屋内だし、そこでなら最悪、高耶の「秘密」を知られてもいいような気がした。
「ああ」
高耶はそっけなく返事をすると、少しでも落ちつこうと、目を閉じた。


だが、現実は厳しかった。
通常なら20分強で直江のマンションに着くというのに、今日に限って渋滞に撒きこまれてし
まったのだ。上り方面はガラガラなのに、高耶達が向かっている下り方面は全く動かない。
「おかしいですね。来るときは渋滞していなかったんですが」
工事、というより事故があった、と考える方がいいかもしれない。あまりにも車の列が長いの
で、原因とおぼしき場所が全く見えなかった。
「困りましたね」
ハンドルから手を離して、ふぅ、とため息をつく。
高耶は、と見れば、相変わらず丸くなっている。
「高耶さん、まだ具合が悪いですか?」
車に乗ってから、いや、乗る前から口数が少なかった高耶が、直江は心配だった。いったい、
どこが具合悪いのだろう。
「あ…、と」
ふいに前の車が前進したのを見て、直江は慌てて車を発進させた。
車がガクンと揺れる。
「!」
ここいらは事故が多い為、スピードを落とさせるのを目的とした出っ張り(=ハンプ)が道路に
付いているのだ。一定間隔に付けられているそこを通る度に、車がガクンと揺れた。
「…っ!」
「ああ、また止まったか」
車は少し進んだだけで、また動けない状態になってしまった。
やれやれ、とため息をついて高耶を見ると、高耶はうつむいたまま荒い息を吐いていた。
「た、高耶さんっ!?」
どうしたんだ!? と身を乗りだした直江の目は、次の瞬間「え?」と大きく見開いていた。
何故なら、高耶は左手で自分の股間を触っていたからだ。
「は…っ…、はぁ…、ん…」
高耶は、直江の存在を忘れたかのように、股間をズボンの上から弄っている。が、ジーンズの
堅い生地の上からでは、到底満足出来ないのだろう。そろそろとベルトに手を移動させると、
何の迷いもなくそれを抜き取った。
「高耶さん…」
ゴクリ。
直江の喉が鳴った。
どういう経緯でこうなったのかはわからないが、高耶は今、マスターベーションをしようとして
いる。
それも直江の目の前で。これが興奮せずにいられようか。
「た、高耶さ…」
思わず、手を貸してやろうと身を乗りだした時だった。
プっプー!
後続車がクラクションを鳴らした。前の車が少し進んだのだ。
「―――チッ」
普段の直江からは想像もつかない舌打ちをした直江は、また、少しだけ車を動かした。
ハンプの上を通った車は、再びガクン! と揺れた。その影響で高耶が「ん!」と息を鋭く
呑む。
どうやら、この動きが高耶を追い詰めているらしい。
けれど、どうして?
考えてみれば、高耶は会った時からおかしかった。けれど、それは何故?
そんな事を考えている間にも、高耶は前を寛げて自分の股間のモノを弄っている。
今が夜で良かった。
高耶の情欲に染まった顔は、「ちょっと見」じゃ外からはわからないだろう。
「ん…、ん……、なおぇ…」
高耶が自分のモノを扱きながら、甘い声を上げる。
「こ、ここにいますっ、高耶さんっ」
すぐ目の前に愛している人がいるというのに、思うように手が出せない直江。シートベルトに
固定された体は、そんなには動かせられなかった。それに、急に車が動いたら、そう思う
と、直江は高耶に手を出すことが出来なかった。
「あ…、あぁん……やぁ…」
高耶は一人、助手席でマスターベーションをしている。
段々、呼吸が忙しくなる。緩く体を動かしながら、モゾモゾと股間のモノを弄る高耶は、酷く
淫靡に見えた。
「も、もぉ…、イくっ。…イく…っ」
「…少し複雑ですが、イって下さい。あなたのしろいのを、自分の手の平にぶちまけなさい」
直江はシートベルトに捕われたまま、高耶に指示を出していく。
水を得た魚のように直江の声に反応した高耶は、より一層自分のモノ扱き出した。
「あ、あ……、ん…、やぁっ! イくっ…っ。イく―――っ!!」
もう駄目、だ!
そう思ったとたん、高耶は自らの手にしろいのを解き放っていた。
「あ、…あ…ふ」
ビクビク、と体を揺らした高耶は、そのまま全身を弛緩させた。塗れた手を拭うこともせずに
荒い息を吐きだしている。ソファに深く凭れてグッタリしてしまった高耶に、直江はどうして
いいのかわからない。普段だったら、くったりしてしまった高耶の足を抱えて、挿入の為の
準備を始めるのに。そうして、物欲しそうに口開いた穴に、自分のモノを押しこむのに。
前方を見ると、まだまだ渋滞は解消されそうにない。
こんな状態であと何分待たなくてはならないのか。
「くそ…」
高耶の媚態を見てしまった直江も、すっかりその気になってしまっている。
出来ることなら、今ここで、高耶を抱いてしまいたかった。
だが、現実は…。
直江が苛立ちに歯軋りした時だった。
少しずつ前の車が動き出した。
(しめた!)
この空間を利用して、ギリギリUターン出来るかもしれない。
いや、しなくてはならない。これ以上の据え膳は、耐えられない!
直江は緩くアクセルを踏むと、大胆に車を動かした。結果、少し手間取ったが、どうにか空
いている上り方面へと移動する事が出来た。あとは、手頃のホテルに高耶を連れ込めば…。
今日の高耶はかなりキている。
これは、楽しみかもしれない。
そんな事を考えていると、くったりしていた高耶が、のろのろとこちらに体を寄せてきた。
「?」という顔をすると、なんと高耶は、あろうことか直江の股間に顔を寄せてきたではない
か。ギョッとしたのは、直江だ。
「な…っ! た、高耶さんっ」
まさか、と目を見開く直江に構わず、高耶は直江のやや大きくなっているモノを取り出した。
「オレ…、もう我慢が…」
そう言って唇を震わせた高耶は、直江のオスに衒いもなく口を近づけた。そうしてまだ半勃
ちのそれをカポッと銜えこんだ。
「く…っ。高耶さんっ。危ないですから!!」
直江はもう、普通に車を運転しているのだ。そんな状態でフェラをされたら、注意力散漫に
なって非常に危ない。なんとかやめさせようとするが、高耶の口内に包まれている感触は
とても気持ちが良く、強い口調で言えない。
「高耶さん…、は…、お願いですから…」
ぐっ、とステアリングを握る手に力を込めて、直江が息を乱す。しかし、それが高耶の快感を
煽ってしまった。あの直江を拘束させた状態で喘がせる。普通なら考えられないシチュエー
ションに興奮してしまった高耶は、より一層愛撫を濃いものにしていった。
「く…、たかやさ…。はな…してくださ…っ」
これ以上されてしまっては、本当にヤバイ。
高耶を腿の上に乗せたままの走行なんて、危険すぎる。特に、絶頂を迎えてしまった時の
事を考えると、恐ろしくて仕方ない。
(どこか人気の無い所は…)
切羽詰まった直江は高耶に銜えられたまま、車を薄暗い路地へと進ませた。



幸い、5分ほどで、ちょっとした空き地を見つけた。
その間、イかなかったのは、表彰ものだろう。
直江は出来るだけ暗い所に、車を押し進めた。ここでなら、一見一目につきにくいだろう。
「高耶さん…」
車を停めた直江が安堵の息を吐く間もなく、高耶がキツイ吸引を施してくる。
「…うっ」
今まで散々我慢していた直江は、その高耶の吸引によって一気に上りつめた。
車を停めた安心感から、無防備になっていたのだ。それに、うくうく、と猫が必死にミルクを
舐めるような、高耶のフェラがとんでもなく気持ちイイ。
竿をたっぷり舐められ、敏感な括れを舌先で弄られ、直江はとうとう高耶の口内に射精して
しまったのだった。
「…く……っ」
右手をステアリングに、左手を高耶の頭に押さえつけた状態で、直江はイッた。
こんな車の中で口淫される事になるとは、思ってもいなかった。
いつになく疲れてぐったりとシートに体を沈めていると、高耶が起き上がって唇にキスをして
きた。
「…こら。そんなに飢えてるの?」
キスに応えてやりながら間近に高耶の目を覗き込むと、高耶が至近距離で「欲しい」と囁い
た。
「も…、マジ我慢できねぇ。早く、おまえの…」
そう言って、再びディープなキスを仕掛けてくる。
もう直江とて、我慢出来なかった。



「高耶さん、ズボン脱いで」
助手席のドアを開けてそう言うと、高耶がズボンと下着を引き下ろした。足首にもたついた
邪魔な物は、直江が抜き取ってやった。下半身だけを剥き出しにした高耶は、夜目にも頬を
うっすらと赤らめた。
「なおえ…」
「大丈夫だから」
不安そうに見上げる高耶に微笑んで、直江は高耶の上に覆い被さった。それだけで興奮して
しまったのか、高耶のオスがピクンと震えた。
「高耶さん」
直江は伸びあがると、高耶の唇にキスをした。キスをしながら、捲り上げたTシャツの中に手
を忍びこませる。
「…んっ」
胸の果実を探りだしてキュッと摘まんでやると、絡ませていた高耶の舌がピク、と引きつった。
「…んっ、……ぁ…」
乳首を転がす度に、高耶がキスの合間に切なげな声を漏らす。
直江の体に押さえつけられている部分も、少しずつ堅くなってきている。濡れた瞳が、切な
げに寄せられた眉が、高耶が感じている事を知らしめている。僅かな光源の下で見る高耶
の表情に心かき乱されながら、直江は高耶を高めていった。
「…ぁ! ……も…」
高耶が逃れるように身をよじった。
高耶の前が、直江のスラックスをしとどに塗らしていた。愛撫の最中に擦れる感触に、すっか
り高まってしまったらしい。直江の方も形を変え始めていたので、余計にだ。緩い出っ張り
部分にソコを刺激されて、高耶はたまらなくなってしまったらしかった。
もう、ヤダ、と直江の愛撫から逃れようとするので、直江はそろりと体を動かした。
二つの柔らかい実を軽く包み込んでから、後ろに指を這わせる。
触れると、ソコがキュッと窄まった。
「あぁ…っ! なおえ、早く…っ」
つぷ、と指を突き入れると、凄い勢いで穴を締めてきた。
もう、本当に欲しくて仕方ないらしい。前から流れ出た液体がソコにまで流れこみ、息づく度
にグチュ、グチュと卑猥な音を立てている。直江は狭い空間に気を使いながら、高耶の右足
を持ち上げた。
「あ…」
露わになった部分に、直江の先端が宛がわれる。
(アソコに直江のが…)
やっと得られるんだと思った高耶は、頬を赤らめながらも期待に唇を震わせた。
「なお…、はや…くっ」
その哀願と共に、直江がグッと先端をめり込ませた。高耶の唇が、歓喜の形に開かれる。
(このまま、奥まで…!)
だが、直江の侵入はそこまでだった。
なんで? と情欲に潤んだ瞳で見上げると、直江は困ったように笑った。
「高耶さん、すみません。この態勢はちょっと…」
大丈夫だろう、と身を進めてみたものの、実際にやってみたらキツかった。女と違って入れ
る場所が後ろの方なので、やりにくいのだ。
「大丈夫だって…」
なんとかこのまま進んで欲しい高耶は、直江の腕を掴んでせがんだ。もう、気が狂いそうな
ほど、直江を待っていたのだ。これ以上、「待った」は辛すぎる。
「直江ぇ、早く…っ!!」
だが、直江は高耶の足を下ろしてしまった。
この状態では、本当に思うように動けないのだ。
「高耶さん、俯せになって」
「え?」
「それなら、大丈夫だから」
そう言われて、仕方なく高耶は必死になって体を返した。シートの上という不安定さがあった
が、もうどんな形でもいいから直江を銜えこみたい。その一心で俯せになる。自然、膝を立て
る形になったが、それは好都合だったらしい。ちょうどいい高さになった高耶の割れ目に、
直江がすぐさま男根を挟みこんだ。体を折り曲げていることによって、より一層剥きだしに
なったソコに、直江は誘われるように挿入していく。
「あ! …ひっ!!」
ズブリ、と潜りこんだペニスは、高耶の狭い道を奥へ奥へと突き進んでいく。出っ張り部分を
入れた時は少し苦労したが、高耶の腰を揺さぶってやると、ズブズブと男を呑みこんだ。
「凄い、高耶さんのココ…」
本来受けいれる部分では無いというのに、直江の太い男根をお口いっぱいに頬張っていく。
その様の、なんて淫らなことか。
思わず掠れた声を出す直江。
その声が、高耶に快感となって届く。
(くぅ…! たまん…ねぇ!)
浅く息を吐きながら、高耶は直江の全てを呑みこんだ。
「ハァ、……は…っ」
太い杭に一突きされた高耶は、俯せのまま荒い息を吐きだしている。
衝撃で一度は萎えたペニスは、直江の手淫によって再び鎌首を擡げ始めている。
直江はその下の、やわい実を指先で擦り合わせてやった。
「あ! …やぁ…っ!」
あらぬところを包まれて、高耶はビクビクと体を震わせた。棒だけではなく、こちらも感じるら
しかった。
「なお…ぇ。…動いて…れ」
ベッドなどとは違って、今回の高耶は自分からは動けない。たたでさえ狭いシートの上で、
俯せになって尻を突き出しているのだ。しかもその上には直江が被さって一物を高耶の中
に挿入している。これでは動くことは不可能だった。だから、快感を得ようとするのなら、直江
に動いてもらわなければ。
「なおえ!」
「そんなに慌てなくても大丈夫。ちゃんと動いてあげるから」
直江は高耶の尻に付けていた股間を、少しだけ後ろに引いてやった。
「あ、あ…!」
そうして、再び高耶に腰を打ちつける。
「んぅっ!」
「どう? 高耶さん、イイ?」
高耶の耳に囁きながら、直江がその行為を何度も繰り返す。
敏感な襞を、直江の脈打つペニスに擦られた高耶はたまらない。
ピクピク、と恥穴を震わせながら、恥ずかしい声を車の中に響き渡らせる。
「あ…ん。あ、あ……。い、い……!」
「イイの? 高耶さん」
「あぁ…。イイ…よぉ。凄くいい…」
高耶がとろけきった顔で、甘い声を上げる。
待ち望んだ直江のペニスに擦られて、最高の気分を味わっているらしかった。
何度も、「イイ」を繰り返し、自らも必死になって腰を揺らめかしている。
「あ、ぁんっ。イイ…。イイ…よぉ…」
唾液で口周りを汚しながら、高耶が快感にむせび泣く。
そんな高耶に煽られた直江は、より一層ピストン運動を激しいものにしていった。
ぐちょ、ぐちゅ、と濡れたいやらしい音と共に、車がギシギシと揺れる。
二人はあちこちに体をぶつけながらも、動物的な交わりを続ける。
「あっ、ああっ! イくっ! も、イく―――!!」
「イッて。何度でもイッて」
ズブズブ、とペニスを出し入れしながら、高耶の耳に熱く囁く。それが刺激になったのか、
「ヒ…ッ!」と、高耶は鋭く息を呑むと、シートの上に精液をぶち撒けていた。
「―――くっ!」
直江の方も、局部をきゅうっと高耶に搾られて、高耶の射精に合わせるように精液を発射
していた。
「あ…、あぁ!」
「高耶、さんっ!」
ここが車の中であるという事も忘れて、二人は至福の時を過ごしたのだった。




嵐のような一時が過ぎ、興奮から冷めた直江は高耶の中から自分のモノを抜き取った。
備え付けのティッシュで精液を拭い、ズボンの中にしまい入れる。不自然な格好で揺さぶら
れていた高耶は、精根尽き果ててグッタリしてしまっていた。直江は高耶に出来るだけ楽な
姿勢を取らせてから、一人車の外に出た。
高耶は、完全に意識を飛ばしているようだった。だから、目立つところだけを拭ってやって、
自分の上着を体の上に掛けてやった。
だいぶ冷えてきた。
このままここにいたら、体調を崩してしまうだろう。
すぐに車を動かすのは気が引けたが、こんな窮屈な所にいるよりも、早く温かなベッドで休
ませてやりたい。直江はエンジンをかけるとゆっくりと車を動かした。

興奮が去った高耶は、直江の気も知らずにスースーと気持ちよさそうに寝息を立てている。
どうして高耶があんな状態で乱れまくったのかは、夜が空けてからの話になりそうだ。
「―――全く、あなたという人は」
もう幾度目かもわからないセリフをため息と共に呟くと、直江は家路へと急いだのだった。



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