| ラブバースデー
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「高耶さん、誕生日プレゼントは何がいいですか?」 それはある日のこと、オレは直江にそう聞かれたのだが、生憎と咄嗟には何も思い付かなか った。 一応、何か欲しい物があったかな、と考えてみたが、プレゼントして貰うような物はなかった。 だからずっと保留にしていたのだが、そうこうしているうちにオレの誕生日になってしまった。 あいつは未だに、「本当に何も無いんですか?」と、何度も何度も同じ事を聞いてくる。こんな に考えても何も思いつかなかったんだから、「もう、ほんとにいらねーって」って言ったのだが、 それでもあいつがあまりにもしつこくそう聞いてくるから、つい言っちまったんだ。 深いイミはなかったんだ。あくまでオレは。 あいつがいつも言ってる事をふいに思い出して、深く考えずに言ってみたら、あいつがあまり にも顕著な反応をするから、 ―――オレは思わず逃げてしまっていた。 だって、「(メンドーだから)おまえでいいよ」って言ったら、いきなり人のTシャツ剥きやがった んだぜ? これで逃げるなって言う方が、おかしいだろ? そんな訳で奴を引っぺがして逃げるつもりだったんだけれど、なんかの(ていうか、エロ)スイッ チが入ってしまった男から逃げるには、オレはまだまだ未熟だったんだ………。 「な、なおえっ。コラ! 何して…っ」 「そういう事ならお任せ下さい、高耶さん。た…っぷりと、私を堪能させて、あ・げ・る」 そう言ってオレのジーンズの隙間に指を入れてきた男は、オレのウエスト部分が緩いのをいい ことに、スルリ、とジーンズと下着を脱がしやがった。オレの穢れ無きつるり、とした尻が照明の 下に照らし出されて、オレは羞恥に顔を染めた。 「こぉらっ! 直江、何しやがるっ!!」 「ふふ、照れやさんなんだから。恥ずかしがらなくてもいいじゃないですか。いつもやってる事 なんですから」 !? (な、何っ!?) 「そそそそそそれって、ももももももしかしなくても、」 ―――アレ!? 「ちょ、ちょ…っ、待てっ! 誰もしたいなんて言ってねーだろ!?」 「またまた。私が欲しいと言ったじゃないですか。遠慮しないで」 「遠慮なんかしてねーっての!!」 オレは叫んだが、聞く耳持たない男に、だらんと垂れ下がったままのオレのソコをむぎゅっと 掴まれて、オレは思わず声を上げてしまっていた。 「あ、ぁん!」 (!) カアァァァァ…! (な、なんだよ、オレ! 今の声はあぁぁぁっ) 恥ずかしいなんてものじゃない。シラフでこんな声を出してしまう自分が信じられない。 ちょっと触られた、いや、握られただけなのに。 「……」 耳まで真っ赤になって羞恥に縮こまっていると、それに気が付いた直江が「可愛い」と耳に囁い てきた。 「うぉぉっ!」 思わず、ビクン! と体が震えてしまった。 ヤバイ。 直江の、エロボイスだ。 直江の声は、普段からも深く落ち着いていて「いい声してるよな」って思っているのに(身の危険 の為、直江には内緒だ)、情事特有の掠れた甘い声で囁かれでもしたら、オレは!! 事実、その一言だけで、アソコがビン! と立ちあがってしまった。 恥ずかしいこと、ありしゃしない。 「あ…、こ、これはっ、…ちがっ」 もう、最悪である。 大した愛撫もされていないのに、声だけで反応してしまうなんて。 これではどっからどう見ても、オレがそういうのを待ちかねているようではないか。 (そんな事、ねーのに…!) 四つん這いになりながら、泣きそうに顔を歪ませているオレを見てどう思ったのか。 直江がオレの宝玉を弄りだした。 「あっ…、あ、あ…」 尻だけを剥きだした状態で、前を弄られる羞恥。 直江の顔がすぐそこにあると思うだけで、体は反応してしまう。 もし、急にソコに舌を入れられたどうしよう。そんないやらしい考えが頭をよぎり、淫らな自分に ますます興奮してしまう。 (そんなつもりなんて全くなかったのに、何で…) 「うぁ…っ、はぁ…、あ…ん」 ジーンズが膝の辺りにもたついているので、足を開く事は出来ない。 そんな状態で前だけが立ちあがり、滴をこぼし始める。 無理な態勢に足がぷるぷるしてきたというのに、直江は解放してくれない。 「んう…っ、も…、やぁ…」 辛い。苦しい。 このジーンズを脱がせて欲しい。足を閉じたままじゃ、キツくて仕方ない。 そう涙ながらに訴えるのに、直江は言うことを聞いてくれない。 どころか、とん、と押されて、オレは床にへばりつくような格好になった。 「……っ」 尻だけを、高く上げている状態だ。 なんとか体を起こしたかったが、ジーンズがまとわりついているせいで思うように動けない。 どうする気だ、と朦朧としながら目を上げた時だった。 「! あっ、ああ…」 何か、トロリとしたものが、上からソコに落ちてきた。 冷たくぬるり、とした感触は、 (ローション!?) 「な、ななな、直江?」 尻の狭間にぬる〜と流れ落ちるそれは、オレの下の入り口にも過たず落ちてきた。 (う…っ) 力を入れる度に、それが中に入ってきてしまう。 聞くに耐えない音がくちゅ、ぶちゅ、と響き、オレの羞恥を煽っていく。 (は、恥ずかしい…っ) 拳を握って、耐えるオレ。 キツキツのジーンズが、これほど憎く思った日は今までに無い。 (くそ〜〜) 荒い息の下で歯噛みしていると、突然後ろに指を入れられた。 「!」 予期していなかった事態に体はパニックになり、つい、条件反射のように射精してしまっていた。 「あっ、あぁ…っ」 ズブッとめり込んだ指が、あまりにもスムーズに奥にまで入ってきて、オレはその衝撃に耐え られなかったのだ。 「はぁっ…、はぁっ…ん」 足を閉じた状態で、放出してしまったオレ。 興奮して開閉する穴が、どんどんローションを取りこんでしまう。 (あぁ、むず痒い…) すぐに抜かれてしまった指が、凄く恋しい。 もう一回入れて、ぐちゃぐちゃに掻き回して欲しい。 淫らな思考が、脳を冒していく。 あんなに嫌がっていたくせに、今は、その疼く穴を何とかして欲しくて仕方ない。 いつもみたいに、ぐちゃぐちゃに掻き回して欲しい。 オレのイイトコロを突いて、突きまくって欲しい。 そうすれば、この苦しい状態から抜け出せるのに。 楽になりたい。 気持ちよくなりたい。 (直江…) 直江ぇ―――。 「うぅ…」 「……高耶さん。泣いてるの?」 「う…、泣いて、なんか……っ」 「いいんですよ。強がらなくて。今、入れてあげますから」 ―――え? と、思う間もなかった。ローションをまとわりつかせた直江の男根が、一気に中に入ってきた。 「う、おおぉぉ―――っ!! 無理無理、まだ無理だって!! 直江っ」 ローションを垂らされただけで、解された訳ではないのだ。それなのに直江は、自分の太いの を突き入れてくる。 「ヤダヤダ、直江っ! イタタタ、抜けよ、馬鹿!!」 「少し、痛いかもしれないけど、我慢して」 「どこが少しだ!! イテーってマジ! 裂けるっ」 「大丈夫ですよ。そんなに心配しなくても。それに、あなたキツい方が好きでしょう?」 くすっと、笑いながら言ってくる男に、オレの頭は真っ白になった。 キツイのが好きって。 いつ、だれが、そんな事言った―――!! 「あっ……! あぁ…っ!!」 そうこうしているうちにも、直江の男根は奥へ奥へと入ってくる。 キツいのと苦しいのとで、気が遠くなりそうだ。 (何で、コレがオレの誕生日プレゼント…) ちっとも、嬉しくねぇ!! あいつがウザくて、適当に返事しただけなのに。 何で、こんな事に。 (直江の馬鹿〜〜〜!!!) 深く貫かれ、じくじくと痛む尻に朦朧としながら、オレはいつしか、気を失っていた……。
オレが意識を取り戻したのは、それからどれぐらい経ってからだったのだろうか。 先ほど、四つん這いの状態で後ろから貫かれていたオレは、いつの間にか直江の人間椅子 に、後ろ向きに座っていた。 いや、座っていたというか、やはり貫かれていた。 邪魔な衣服の一切は取り払われていたが、直江の男根を深く銜えていたオレは、意識が戻っ てからも力を思うように入れられないでいた。 「あ…、なお……」 「おや? 気が付きましたか?」 「ん…。って、まだ?」 まだやるのか? と潤んだ瞳を向けたオレに、直江はにこり、と笑った。 「何言ってるんですか。まだまだこれからじゃないですか」 これからって…。 時計を見ると、まだ1時にしかなっていない。むろん、23日のだ。 まさかと思うけれど、まさかまさかまさか! 「まさか、お前……」 オレは、ゼエゼエと息を吐きながら、ぐるん、と首を捻った。 「マジで今日一日…」 考えると、恐ろしい事だった。いくら性欲魔神・直江と言えど、今までにそんなに長い時間(さ すがに休憩は入れるだろうけれど)交わった事はなかった。それなのに、それを実行しようと 言うのか? 嘘だろ? という目で見るオレに構わず、直江はオレの股間のモノを掴み上げた。 「あっ!」 一度放出済みなのに、もう半勃ちになっている。 あやされて、ビクッと引きつった。 「んっ、…んんっ」 (な、おえ…) 「23日は、まだ始まったばかり。あなたのお望み通り、今日は一日、た…っぷりと可愛がってあ げますよ」 (ゲ!) うっそ、……マジ? サアアァァ……、と血の気が引いたのがわかった。 直江のその嬉々とした声が、悪魔のそれのように聞こえたのは、オレの気のせいだったのか。 出来れば気のせいであって欲しいと思った、仰木高耶22歳の誕生日であった。 |
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