新春スペシャル


「高耶さん……」
尻を鷲掴んでソコを押し開くと、直江は尖らせた舌を滑らせた。
ビクッと震える高耶を抑え込んで、ヒクヒクと収縮する穴を嬲ってる。高耶はまだ、一度
も達していない。けれど、後ろに与えられている刺激によってかなり上り詰めているの
がわかった。
はち切れそうになった前から、白い蜜が溢れている。かなり苦しい状態だ。
「んんっ……、んんん!」
奥歯が磨り減るほど歯を噛み締めながら、高耶は下肢から上ってくる快感にじっと耐え
ていた。縋れるものといったら、自分の下に敷いてあるシーツだけだ。横臥した状態で、
高耶は尻だけを直江に弄られていた。
前にはロクに触れず、結合部分だけを重点的に攻められる。敏感なソコはすぐに高耶
の体に火を点け、退っ引きならない状態になっている。それなのに直江はソコから顔
を離そうとせず、高耶は息も絶え絶えに身悶えるしかないのだった。
「…くっ…、…この…ッ!」
男の執拗な愛撫になんとか逃れようとするのだが、時既に遅し、高耶には逃げるだ
けの力が残っていなかった。とにかく酷い快感に晒されていた。文字通り腰砕けに
なっている。「まな板の上の鯉」状態で、寝っ転がっているしかない。けれど、誰より
もプライドが高い高耶にとって、ここで屈するのは屈辱でしかなかった。
「直江…っ。てめ…ッ!……いい加減に…」
舐められている、尻の間だけが湿っている。むず痒いような感覚があって、出来る
ことなら足を擦り合わせたかった。けれど、その動きが男の目を楽しませてしまいそ
うで、悔しくて高耶には出来ない。とにかく、早く次のステップに移ればいいものを、
直江は何を拘っているのかソコばかりを解している。
ヌレヌレになってしまった高耶のソコは、疼いてヒクヒクしていた。埋めてくれるもの
欲して喘いでいるのが、自分でもわかった。それなのに。
「……んで、…だよッ」
ギリギリのところで腰を動かしてみても、直江の舌が去る訳ではない。直江も直江
で、周りを舐めるだけでなく穴の中にまで舌先を潜り込ませてくるし、高耶はもう本当
に気が遠くなりそうだと思った。
「高耶さん」
「!」
直江が舌先を尖らせて、穴の中を穿り出した。さすがにその感覚には抗えなくなっ
て、高耶は「あぁ…ん!」と可愛らしい声を上げながら達してしまった。
「…ぁ…、…んっ……」
声なんか聞かせたくないのに、抑えがきかない。
本能のまま喘ぎながら体を弛緩させると、直江がようやくソコから舌を外してくれた。
「後ろだけでイッてしまいましたね。……可愛い」
直江がさも愛しそうに、高耶を抱き寄せた。自分が与えた刺激で達する高耶は、なん
て可愛いのだろうか。慌てて顔を背けてみせても、もうダメだ。直江の中には高耶の
媚態がしっかりと、焼き付いてしまっている。
一方、後ろだけでイかされてしまった高耶は、沸騰してしまいそうなぐらい顔を真っ赤
にさせていた。直接ソコを愛撫された訳でもないのにイッてしまうなんて。後ろを嬲ら
れただけでイッてしまうなんて。なんだか自分が凄く淫乱な気がして、高耶は顔を隠
すように腕を引き寄せた。
「隠さないで。もっと素敵なあなたを見せて」
「……バ、バカっ!!」
「とても可愛らしかったですよ。……何をそんなに恥ずかしがっているんです」
「……お前の中には羞恥という言葉が無いのかッ」
たまらなくなって叫ぶと、直江はしれっと返してきた。
「ありますよ。でも、今は関係ない。私たちがしている事は、恥ずかしがる事じゃない」
「オレは恥ずかしいッ」
顔を真っ赤にさせたまま怒鳴る高耶に直江はくす、と笑うと、縮こまってしまった細い
体を抱き起こした。
「なおえっ!」
「全く、あなたときたら。いい加減慣れて下さってもいいじゃないですか」
「う、うるさいっ」
「でも、そんなあなたが可愛いんですけれどね」
言うと直江は、高耶の火照ったままの頬に唇を寄せた。そうする事によって高耶の
頬がますます赤くなったのだが、今度は直江はからかわなかった。
「高耶さん、いい?」
秘密の言葉を囁くように高耶に尋ねると、高耶は悔しそうに唇を噛んだ後、しぶしぶと
いった風に頷いた。先ほど散々焦らしてしまった直江だ。高耶ももう、余裕が無いのだ
ろう。証拠に高耶は直江の首に腕を回すと、自分から膝の上に乗ってきた。
「今日は、……これで」
直江の逞しい胴を跨いで、腰を上げる。
自ら直江を手に取ってソコに導こうとする高耶に、直江は満足そうな笑みを浮かべた。
「そんなに疼いているの?」
「……ッ」
「私も早く、…あなたの中に入りたいですよ」
卑猥極まりない男の言葉に、高耶が羞恥に震える。けれど、それよりも最優先する事
が高耶には、ある。散々焦らされたソコは、直江が言うように早く男を入れたくて仕方
なくなっていたのだ。
濡れた恥穴に男を導き、先の方を潜り込ませる。
期待に喘ぐ穴。
高耶は意を決すると、そろりと腰を沈めていった。
「―――ッ!」
「……っ」
高耶の狭い入り口に、直江の太いものが入っていく。かなりの質量をもったソレの
挿入は、決して楽なものではない。それでも高耶は歯を食いしばって直江を中に入
れていく。
キツそうに顰められた眉が痛々しかった。
けれど、その一方でこの目の前の青年を征服し尽くしたいという欲望に揺れる。それ
でも、最後の理性が直江を押しとどめた。彼が全部自分で入れ終わるまで、じっと待
つ。男の身で男を受け入れるのだ。こちらも少しは我慢しなければ。
「…大丈夫? 高耶さん…」
低く囁くと、直江を入れた状態で高耶がブルリと震えた。ゆっくりと瞳を開く。
「痛くない?」
「ああ……。それよりも」
高耶が直江にしがみつくようにして、腰を動かし出した。よほど、疼いているらしい。
痛みよりも、快楽を追おうとする高耶。
自ら恥穴を慰める高耶は、娼婦のように淫らだ。
直江は揺れる高耶の顎を、舌を伸ばして舐めた。そんなところも感じるのか、高耶の
動きが激しくなる。直江の腹の間に当たっていた棒からも、また白いものが溢れ始
めた。
「アッ…! アァ……ッ」
「そんなに腰を振って」
「んんっ……、なお…!」
「気持ちイイの?」
「あぅ…! イイっ! きもち、イ…イ…!」
「イきそう?」
「…んぅ! アァ…! イく! も……、…イくッ…! あぁ……んっ…、はや、く……!」
「だったら…、いっぱい出して。あなたが満足するぐらい。さぁ」
直江がグイ、と腰を突き上げた時だった。高耶が綺麗に背を撓らせると、甲高い声を
上げながら達していた。きゅうっと絞られる恥穴。その締め付けに自分も深い陶酔を
味わいながら、直江も高耶の中に精液を発射させていた。
「あ、ぁ…ん」
通常では考えられない甘い声が、高耶の口から漏れる。ぴっちりと男をくわえている
のに、埋められた穴からは精液が滲み出しシーツを濡らしていた。
弛緩する高耶を横抱きにし、繋がったまま片足だけを持ち上げる。
「……ぁ…」
達したばかりで疲労しているというのに、続けて杭を打とうする直江に抗議するように
高耶が視線を上げた。しかし、それは逆効果というものだ。潤んだ瞳は男の嗜虐心を
非常にそそる。高耶の媚態だけで何度でも勃ち上がる事が出来る男は、底知れない
彼への想いを抱きながら何度も腰を使った。
泣きながらも歓喜の声を上げる高耶。
夜は当分、終わりそうにない。



「……という、夢を見たんです」
長い話を終えた直江は、高耶の足を上げながらニコニコと笑った。
行為の最中こんな嬉しい初夢を見たのだと、のたまう直江に、高耶は至上極まりない
凶悪な視線を投げつけた。
「なっ、なんだよ、それは! なんでオレがお前に翻弄されなくちゃならないッ」
「何言ってるんですか、いつもそうじゃないですか」
「いつも〜?」
今まさに入れようとしている所で、高耶はスッと目を眇めた。
「ふざけるなっ。オレはお前のいいように動く人形じゃないッ」
「ええ。知ってますよ。人形が、こんな声を上げる訳がない」
直江はしれっと言うと、高耶の小さな穴に刀身を埋め込んだ。
「アッ…!」
声を出してしまってから、高耶がギッと直江を睨んだ。
「こ、この……!」
「初夢って本当に正夢になるんですねぇ」
「お前の場合は、無理矢理正夢にしたんだろうがッ!」
「今年も幸先いいですよ」
「お前なんて、不幸になれ!」
「高耶さん、今年もいっぱい愛し合いましょうね」
「!!」
言いながら、ぐるりと腰を回す。太いものに強くさすられた高耶は、息も絶え絶えに
なりながら呪いの言葉を吐いた。
「こ、今年こそ…、別れてやる…! ぜってー別れてやるッ」
しかしすっかり自分の世界に入っている直江は、本能のまま高耶を揺さぶり、新年
早々熱い一発をかましたそうな。



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